大判例

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仙台高等裁判所 昭和30年(う)142号 判決

職権を以て調査するに、原判決はその主文において被告人を原判示第二の(一)の事実につき懲役四月に、その余の原判示事実につき懲役一年六月に処する旨判示しているが、その理由においては事実説示でも証拠説明でも将又法令の適用でも、主文の刑が二個となつた理由につき何等の説明をもしていない。尤も、原判決はその証拠説明において被告人の前科調書を挙示しているけれども、その事実説示に照し、累犯となる前科に対する証拠として掲げたものとみるほかない。されば、原判決は理由不備の違法をおかしたものといわざるを得ないのであつて、原判決はこの点において破棄を免れない。

そこで、弁護人の量刑不当の控訴趣意に対する判断は後記自判の際示されるのでここにこれを省略し、刑事訴訟法第三百九十二条第二項第三百九十七条第三百七十八条第四号により原判決を破棄し、同法第四百条但書により当裁判所において更に次のとおり判決することとする。

(罪となるべき事実及び証拠の標目)

当裁判所の認定した事実は、原判示事実中冒頭の「被告人は……(中略)……その執行を終つたものであるが」を、「被告人は……(中略)……その執行を終つたものであり、なお昭和二十七年十月二日仙台高等裁判所において詐欺、恐喝罪により懲役一年六月の判決の言渡を受け、該判決は昭和二十八年七月九日確定(上告棄却)したものであるが」と附加訂正するほか、すべて原判決摘示の事実と同じであり、これに対する証拠も原判決摘録の証拠と同じ(原判決摘示の前科調書を右確定判決についても援用した趣旨)であるから、いずれもこれを引用する。

(裁判長裁判官 鈴木禎次郎 裁判官 蓮見重治 裁判官 細野幸雄)

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